気圧と頭痛の関係は、特に天候が変化する際に頭痛が引き起こされやすいことから注目されています。このような頭痛は「気象病」や「天気痛」と呼ばれることがあり、気圧の変化、特に低気圧の影響で発症することが多いです。
気圧と頭痛のメカニズム
私たちが地球上で生活している限り、大気の重さ、つまり「気圧」の影響を受けています。気圧が高いときは大気が圧縮されていて、体にもそれなりの圧力がかかっていますが、私たちは普段その圧力を感じることはありません。しかし、天気が変わり、気圧が急激に変化すると、体に様々な影響を及ぼすことがあります。特に、低気圧が近づくと気圧が下がり、頭痛が引き起こされることがあります。
気圧が下がると、体の外部から加わる圧力が減少します。この圧力の変化が血管や体内の器官に影響を与え、頭痛が発生する原因となります。具体的には、次のようなメカニズムが関与しています。
1. 血管の拡張
低気圧になると外部の圧力が下がり、血管が拡張しやすくなります。特に、脳の血管が膨張すると周囲の神経を圧迫し、これが痛みとして感じられるのが頭痛の一因です。頭痛の中でも特に偏頭痛は、この血管の拡張と関係が深いとされています。低気圧がもたらす血管の変化が偏頭痛の引き金となりやすく、多くの偏頭痛患者は天候の変化に敏感であることが知られています。
2. 自律神経の乱れ
気圧の変化は、自律神経にも影響を及ぼします。自律神経は体内の多くの機能を無意識にコントロールしている神経系で、交感神経と副交感神経の2つの部分から成り立っています。気圧が下がると、交感神経が優位になるため、血流が悪くなり、筋肉が緊張しやすくなります。これが首や肩のこりを引き起こし、その結果として緊張型頭痛が発生することもあります。また、天候による体調変化が自律神経を乱し、頭痛だけでなく、めまいや疲労感を伴うこともあります。
3. 気圧センサーの役割
一部の研究では、私たちの体には気圧を感知するセンサーがあるとされており、特に内耳が気圧の変化を感じ取る役割を持っていると考えられています。内耳には平衡感覚を司る器官があり、気圧の変化が内耳に影響を与えると、頭痛やめまいが引き起こされることがあります。この機能は、飛行機に乗ったときに感じる耳の痛みや、耳が詰まった感覚とも関係が深いとされています。
気圧による頭痛のリスク要因
気圧の変化が頭痛に影響を与えることが分かっていても、その影響を受けやすい人とそうでない人がいます。気圧による頭痛のリスクを高める要因としては、以下のようなものが挙げられます。
• 自律神経の不調
自律神経のバランスが乱れやすい人、特にストレスを抱えていたり、生活リズムが不規則だったりする人は、気圧の変化に反応して頭痛を感じやすくなります。
• 体調不良や疲労
体調が悪いときや疲れているときは、気圧の変化に対する抵抗力が低下しているため、天候による頭痛が起こりやすくなります。
気圧による頭痛の対処法
気圧の変化を止めることはできませんが、気圧による頭痛を予防・軽減するための方法はいくつかあります。
1. 生活リズムを整える
規則正しい生活を送り、自律神経のバランスを保つことが重要です。十分な睡眠、栄養バランスのとれた食事、適度な運動が自律神経を整え、気圧の変化に対する抵抗力を高めます。
2. リラックス法を取り入れる
深呼吸や瞑想、ヨガなどのリラックス法は、交感神経の緊張を和らげ、副交感神経を優位にすることで、気圧変化による頭痛を予防できます。
3.耳を引っ張る
耳を引っ張る事で、気圧センサーに良い影響を及ぼしてくれる場合が有ります。
耳を引っ張りながら深呼吸を行う事でより効果を感じやすくなります。
(鼻から5秒吸って口から吐く×5セット)
まとめ
気圧と頭痛の関係は、特に低気圧が頭痛を引き起こすことが多いという点で、現代医学においても関心が高まっています。気圧が急激に変化する際に、血管の拡張や自律神経の乱れが頭痛の主な原因となり、酸素供給の低下や内耳の気圧センサーの影響も関与しています。生活習慣の改善や適切な予防策を講じることで、気圧による頭痛を軽減できる可能性があります。
なかなか改善されない場合は一度当院にお任せ下さい。